約 2,078,057 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1037.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 489 れいむの平和な一日(前編)/コメントログ」 お兄さんwww 念願かなって良かったねw 人工衛星打ち上げにどんだけ金使ったんだがww -- 2010-10-12 20 39 19 てっきり、善良うどんげを衛星狙撃する外道お兄さんかと思ったが、 ただの盗撮かいっ!?ww -- 2018-01-10 16 20 30
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/313.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 114 怨みと罪/コメントログ」 不倫なんてする塵屑はゆっくりに限らず死滅するべき。 -- 2010-08-14 20 32 08 まぁ、同意 この話の結末にもあるとおりに不倫は必ず不幸になる 不倫は文化とか言う糞ゲス共がいるが、それは責任一つ取る気が(取れない)ないくせにいつまでも恋愛(笑)したい、でも家族も欲しいとか言う幼稚園児にも劣る幼稚思考から来ている発言だからな でもゆっくりだと喜劇に見えるw -- 2010-08-15 03 13 45 制裁もちゃんとされているのに・・・なんなの?この心地の悪さ。 まったく救いの無い話だな・・・ -- 2010-08-15 03 21 44 てか途中のまりさ同士で口論訳分かんねーよww -- 2010-09-07 03 31 20 すごい昼メロをまさか饅頭で見ることになるとはwwwww -- 2011-06-04 05 56 26 どろどろして胃がきりきりしそうな昼ドラみたいな内容も ゴミ饅頭だとただのコメディだな。 -- 2011-11-12 02 28 45 うわーん!!途中で訳わからなくなったよお! -- 2012-01-08 00 21 20 哀れというか、むなしいというか・・・(´⊂`) 不倫する奴等が死んでいいわけじゃないと思うけど 不倫は許せんな・・・(´з`) -- 2012-05-20 14 56 54 最後のれいむの行動はなかなかできないことだなレイムは自分から産まれる子はどう育ててもゲスになると悟ったのだろうな -- 2012-07-23 13 07 13 なんか残る感じの終わり方だな、ゲスじゃないれいむは可哀想に・・・ -- 2012-12-13 17 54 10 自然界の多くの動物や鳥ならハーレムを作ったり、毎年のように番を変えたりする。 人間のように一生に1人だけって動物は実は珍しい。 ゆっくりって野生なのに人間と同じ結婚システムというのは何故なんだろう? 傲慢で強欲なゆっくりという種族ならハーレム制度だと思うのに。 -- 2018-01-21 17 46 35
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/209.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 20 ゆっくりみさせてね!/コメントログ」 お兄さんが目を覚ましてくれてよかった -- 2010-09-21 03 49 06 善良なんだけど >「ゆんゆん! れいむこわかったよ!」 これだけでもうビキィッ!と来るんだよなぁw 人をイラつかせる為にここまで考え抜かれたゆっくりの設定とか、考えてる人達スゲーよなぁ -- 2010-10-10 03 08 55 個人的には 「こんなことするおにいさんはゆっくりできないよ!はやくどこかにいってね!」 とか言った後に本当のお仕置きみたいな展開が好き -- 2012-02-23 21 30 52 お兄さんは屑なのかな、 -- 2020-02-02 16 43 23 ↓きょきょはゆっくりいじめのぺーじさんじゃよ!ゆっきゅりりかいちてね! -- 2023-02-14 06 18 26
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1975.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 945 はやくげんこうちょうだいね/コメントログ」 作者だけが楽しんでる。 -- 2010-06-15 02 31 58 この編集者さんは、でいぶを置いていくとか嫌がらせが過ぎるのぜ。 -- 2010-07-03 16 07 38 こんなゴミ饅頭を置いていくなよー -- 2010-07-05 01 51 31 虐待用なら最初からちゃんと言えよ 弁償しろよクソ編集者 -- 2010-09-02 14 47 14 糞饅頭置いていくとか、見事な糞編集者だなぁww -- 2010-11-27 19 30 58 ただ、れいむを置いていても気晴らしにはならないんだねーわかるよー -- 2012-03-09 19 23 49 今度は茶菓子にして持っていこう! -- 2012-03-20 02 11 57 賢い金ぱちゅりーを置けば・・・ -- 2013-04-16 17 32 03 これは担当編集者が悪いwww そして弁償しなさいwww -- 2018-02-01 17 30 58
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/394.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編)/コメントログ」 後編がみあたらない ないのかな -- 2012-07-03 22 32 53 よくわからんがゲスがちるのを迫害→れてぃが制裁→さらに無関係な通常種を虐殺→通常種がちるのを迫害→以下ループ と連鎖してるのかねぇ -- 2013-04-20 23 48 11 考えさせられた話すです -- 2020-07-05 15 30 50
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2054.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 982 ゆっくり研究所のアルバイト/コメントログ」 設定面白いし、前回も面白かったけど、このアルバイトの不真面目さがゆっくりできん・・・ -- 2010-04-15 15 22 27 面白い。…が、このアルバイト、クビにならないのが不思議だ -- 2010-04-17 20 47 32 とってもゆっくり出来るSSさんだね! -- 2010-06-18 02 50 11 不真面目なアルバイトだなぁ…よくこれで時給あげろとか言えるわw あんまし人物に好感は持てないがちょっと面白いよ~ -- 2010-11-21 21 27 47 このアルバイト実は胴付きまりさ というオチかもな -- 2011-02-02 12 14 59 おもしろいアルバイトwwww -- 2011-06-04 07 50 35 このバイトクンも殺していいだろ -- 2014-07-20 02 49 31 お前の気分でバランス崩すなよ! 新しいバイト入れた方が良いよw(クラスAのために) -- 2018-01-05 15 32 27
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1734.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 825 捕食種一家と三つの教訓/コメントログ」 い、いい人だぁ・・・ -- 2010-04-05 13 25 54 雑菌お兄さんwww -- 2010-07-20 03 19 44 レミフラとれみふらを同一視された時点でストレスがマッハなんだがどうしてくれる -- 2010-09-15 19 54 45 ↓ゆっくりSSは卒業して同人誌だけ読んでればいいと思うよ -- 2011-01-20 15 26 02 さなえのあにゃるなら俺もペロペロ出来るよ -- 2011-10-01 01 06 27 おもれぇwww -- 2013-10-05 00 02 34
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1811.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 866 あまりにも南の島のまりさ/コメントログ」 でいぶは本当に最悪だな… まりさが可哀想だ -- 2010-11-15 18 23 33 おお!めっちゃおもしれえ!!続きが楽しみ♪ -- 2011-11-14 07 56 53 まさに、れいむ種は不幸の現況になるのは ほぼ確定なんだなぁ -- 2012-08-27 00 12 05
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2584.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1236 焼き芋を買ってみた/コメントログ」 いいね。 -- 2010-06-21 01 13 47 秋姉妹は最高にゆっくりできる -- 2010-06-27 11 08 37 ゆっくりの舌って何でできてるの? -- 2010-06-28 11 25 39 ↓なんだろう?八つ橋の皮みたいな何かかな 詳しいお兄さん教えてー -- 2010-07-12 00 38 00 どこかで…ゆっくりの舌は「求肥」という、餅みたいな弾力なある物でできてるって読んだことが… -- 2010-07-12 03 19 24 なんとなくイメージがつかめました。お答え下さったお二人に感謝します。 -- 2010-07-29 21 21 19
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1978.html
はげの復活(上) 33KB 希少種 現代 創作亜種 独自設定 パニック カオス はげまんじゅうVS市井の人々 二行作 【はじめに】 このSSは、人々と通常/希少/カオスゆっくりの非日常を淡々と描くものです。 過度な期待はしないで下さい。 anko526「はげの行進」の登場人物ゆん物が出てきます。 未読でも、支障はありません。 いつにも増して、混沌とした内容となっております。 特にヒャッハー目的でお読みになると、精神的にアレ化することがあります。 今作は長ーーいので、上中下に区切りました。 ぼちぼちお読み下さい。 (上)は特に、登場人物ゆん物が多いです。 ほとんどは、その場限りのキャラなので、ノリをお楽しみ頂ければ幸いです。 【本編】 『はげの復活(上)』 (作・二行) #1 『無垢なる混沌』 山は豊かだった。 秋の実りが一帯を潤し、白く点在する岩もまた優しげだ。 そんな自然の中に、小さいながらも美しい泉がある。 僅かにそよぐ水辺に、珍しいものが漂っていた。 ちるのである。 アイス饅頭は、ぼんやりとした顔で、ふらふらと浮いていた。 熱でもあるかのように見えるが、これが普通である。 ここは、ゆっくりが暮らす群れの外れ。 泉の後ろにある森を抜けると、ゆっくりの居住区となる。 群れゆにとっても、ちるのは珍しいらしく、会いに来るゆっくりも多い。 ちるのは希少種には珍しく通常種を毛嫌いしないので、好かれているのだ。 今日も群れに続く獣道から、人影ならぬ饅頭影が近づいてきた。 しかしそれは、明らかに尋常のそれではなかった。 「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」 「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」 ゆっくりらしきものが2匹、元気におうたを歌っている。 お馴染のものとは違い、随分はっきりとしたテーマソングである。 歌い手はこれまた変わっていて、髪の毛やお飾りなど一切なかった。 代わりに左右1本づつ、長いもみあげのような肉茎が伸びている。 これぞ世にも恐ろしい、はげまんじゅうである。 何が恐ろしいのか。 それは、これから起ることをご覧頂ければ、よくお分かりになるだろう。 2匹のはげまんじゅうが、ちるのを挟むような位置を取る。 その顔は陽気な笑顔で、ゲスの如き邪念など微塵も見られない。 「ちるのは、ゆっくりしているねっ」 「だねっ」 当のちるのはボーッとしていて、クリーチャーの存在にも気付いていないようだ。 はげゆの方も、もう何もかもお構いなしに、次の行動に出た。 「でも、はげのほうが、ゆっくりできるねっ」 「だねっ」 右のはげまんじゅうが、ちるのの髪の毛に吸い付く。 左は、ちるのの羽を1個づつ口に含む。 「ちゅるちゅる」 「ぽりぽり」 はげまんじゅうは、ゆっくりのお飾りや髪の毛を食べる。 食べきった後に出来上がるのは、ただただつるっとした、はげまんじゅうである。 ちるのも、そんな目に遭っていた。 青い髪もリボンも特徴的な氷の羽も、今ははげゆの中身の中だ。 「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」 「ちるのも、きょうから、はげまんじゅう!」 こうやって、はげまんじゅうは仲間を増やしていく。 外面がはげゆ化すれば、ゆっくり特有の思い込みにより内面も同化するのだ。 「じゃあ、はげはむれへ、かえるねっ」 「だいじなはなしがあるから、はげも、あとで、きてねっ」 2匹のはげゆっくりが帰っていく。 もみもみと自称する肉茎を揺らしながら、例の歌と共に足並みを揃える。 「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」 「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」 ちるのだったものは、見た目は完全にはげまんじゅうだった。 他のそれと違うのは、肉茎が伸びていないことだけである。 しかし、先ほどの来襲者は勘違いをしていた。 泉の側にいるゆっくりは、まだ、はげまんじゅうではない。 「あたいったら、さいきょーね!」 今の今まで考え事でもしていたのだろう。 ようやくちるのだったものは、活発に動き出した。 つまり、さっきまで自分の身に起ったことは、何も認識していない。 内面は、未だにちるののままであったのだ。 それでも外見ははげ上がっている。 顔の付いた、つるっとした球体。 それが虫のように、ふわふわと飛んでいるのである。 生物学者が見れば、卒倒するに違いない。 翌日。 はげの感染は、群れを完全に掌握していた。 「「「「「「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 はげの軍団が、山道を下っていく。 その列に、群れのゆっくりだったものは残らず参加していた。 能天気な表情とテーマソングが、山々を圧倒する。 肉茎をプラプラさせて行く様は、まるで何かの行進のようだ。 「みんなー、げんきに、はげてるー?」 「「「「「「「「「はげてるー!」」」」」」」」」」 ある1匹の声に、他のはげゆ達が答える。 どれがどれやらは、見分けが付かない。 「はやく、おやまを、おりよー!」 「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」 「そして、ゆっくりをみんな、はげにしよー!」 「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」 「はげは、ゆっくりできるねっ」 「「「「「「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「ヒャッハー! ここが地獄の一丁目だー!」 唐突に、はげの行進を止めたもの。 それは革ジャン・火炎放射器装備の、モヒカン鬼威惨であった。 「汚物ゆは消毒だー!」 機械から激しく噴出した炎が、はげまんじゅうを焼き尽くしていく。 「まるやけー」 「こんがりー」 「みんな、ばいばーい」 「ぷれっつぇる!」 「はげまんじゅう! やきまんじゅう!」 「ゆっくり、もえてる、はげまんじゅう!」 「はげまんじゅう! やきまんじゅう!」 「ゆっくり、こげてる、はげまんじゅう!」 「はげまんじゅう! やきまんじゅう!」 「ゆっくり、くろずみ、はげまんじゅう!」 「ヒャァァア! うるせぇぇぇぇぇ!」 はげまんじゅうは、鬼威惨が喜びそうな苦悶や悲痛とは無縁である。 ご陽気に生き、ご陽気に死んでいく。 それでも今、行われているのは虐殺であった。 仕事を追えたモヒカンが、ぶつぶつ言いながら帰っていく。 ちるのだったものは一部始終を、木々に身を隠しながら目撃していた。 マルキュー脳にも、この光景は鮮烈に焼き付いたに違いない。 ただ1匹死を免れた、はげちるの。 よく見せる虚勢も、今は、見る影もない。 それからというもの。 泉の側で佇む時間だけが、長くなっていった。 秋を過ぎ、冬になり、年が明けた。 中身がアイスなだけに、はげちるのは冬ごもりをすることもない。 その日も、ちるのは泉の側にいた。 今までと全く同じように、ひたすら水辺に漂っている。 しかし、たったひとつだけ、違うことをやった。 ちるのは、俯(うつむ)いたのだ。 昨日までは、常に前だけを見ていた。 そうすることで、淋しさに耐えていたのかもしれない。 視線を下げた先にあったのは、泉に映る自分の姿。 ちるのではない、はげまんじゅうの全身。 「あたいったら、はげまんじゅうね!」 それを認めた瞬間に、はげちるのの両端から肉茎が伸びる。 ちるのだったものは、ようやく、自分が何者であるかを知った。 こうして、はげまんじゅうは蘇った。 たった1匹のそれは、咲き誇るような笑顔で山道を下りる。 道の先には林があり、そして、街がある。 孤独な行進を続けるはげゆの中身には、先達の全てが刻まれていた。 「はげまんじゅう! はげまんじゅう! ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」 野良ゆっくりは、冬でも、割とたくましく出歩く。 生ゴミ等を漁る狩りは、季節の影響を受けにくい。 適当なぬくぬくプレイスさえ確保できれば、冬でもそれなりーに暮らしていけるのである。 無論、凍死するゆっくりもいる。 しかし梅雨に流され、猛暑に焼き殺されるゆん生である。 冬ばかりが、特別なのではない。 クリスマスのイルミネーションの下にも、お正月の門松の側にも、野良ゆはいた。 それは正月を過ぎ、本格的な寒さを迎えている今も、変わりはない。 ダンボールや暖かい機械の下を住処としつつ、今日もまた街をさまよう。 山から来たはげまんじゅうが、そんな野良ゆと出会うのは必然であった。 「はげまんじゅう! はげまんじゅう! ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」 「うるさいよ! れいむのおうちのまえで、へんなおうた、うたわないでね!」 「ちゅるちゅる」 「れいむのかみのけさん、たべないでぇぇぇ!」 「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」 「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」 「おかしなやつがいるのぜ。せいさいっしてやるのぜ!」 「ちゅるちゅる」 「かみかみ」 「ばりざのおぼうじど、ぷろんどざんがぁぁぁ!」 「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」 「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」 「むきゅ、そこまでよ! このまちいちばんのけんじゃが」 「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」 「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」 「わからないんだねー、わかるよー」 「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」 「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」 「すかるふぁっく!」 「「「「「「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 はげの大行進が始まるまで、さほど時間はかからなかった。 アスファルトを、はげまんじゅうが埋めていく。 人々は、怪訝とも唖然とも付かない表情で、それを見送る。 ただここに、看過を許さない男達がいた。 「ヒャッハー! わけわからんが、虐待だー!」 街の愉快なモヒカン鬼威惨である。 彼らはある男に憧れ、一様に髪を逆立て、革ジャンに身を包んでいた。 「ヒャッハー! 喰らえ、怒りの虐待スターンプ!」 大層な名前を叫びつつ、モヒカンは、はげゆを踏み付ける。 苦痛が響いた。 「痛ぇーっ!」 「どうした、モヒカン!」 「足の裏が、刺ささるように痛えよ! 気を付けろ、モヒカン。こいつら、みょんに硬えぞ!」 「ならば喰らえ、復讐の虐待シュート!」 モヒカンは、シンプルに蹴り飛ばした。 今度は鮮やかに決まり、はげゆは軽やかに飛んでいく。 そしてビルの壁に跳ね返って、モヒカンの頭に当たった。 「痛ぇーっ!」 「どうした、モヒカン!」 「気を付けろ、モヒカン。こいつら、みょんに硬えぞ!」 「ならば喰らえ、復讐の虐待シュー」 「それはもういい」 「とにかく、蹴れ! 蹴れ!」 モヒカンは、蹴った。蹴りまくった。 なるべく跳ね返らないように、時にはソフトタッチに、蹴った。 そして、モヒカンは気付いてしまった。 「なんだ、こいつら」 「全然、痛がってないぞ」 「ドMか? てんこなのか?」 「喜んでもいねぇよ。それでも笑ってるんだよ」 「もう俺、足先が痛えよ」 「いったい、中身は何なんだよ! こんなに硬いゆっくりがいるかよ!」 「「「「「「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「おいおいおいおい、近付いてんぞ」 「くんな、くんなよ・・・」 「何でこいつら、虐待できねぇんだよ」 「蹴っても蹴っても、潰れないぃぃ!」 「はげはゆっくりできなぃぃぃ!」 「おい、しっかりしろ! おい・・・」 「「「「「「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「もうやだ、おうぢがえるぅぅぅ!」」」 地面が、割れたように見えた。 それほどの衝撃だったのだ。 3人のモヒカンの前にいたはげまんじゅうは、粉みじんに消し飛んでいた。 「大丈夫か、お前達」 「唐井のアニさん!」 はげまんじゅうの破片が舞う、向こう側。 短髪スーツ姿の男が、手刀を構えて立っていた。 #1 『愚者の選択』 3つのモヒカンが、短い髪に集まっていく。 「まさか、チョップで制裁しちまったんですか?」 「やっぱり、アニさんは強え!」 「すげぇよ! あこがれちゃうよ!」 唐井猛(からい・たけし)は、少し後悔していた。 封じたはずの業を、使ってしまったのだ。 「いや俺はもう、引退した身だからな」 「そんなこと言わないで下さいよ」 「俺達もう一度、唐井のアニさんのヒャッハーを見たいんですよ」 「アニさんがいたから、俺ら、鬼威惨やってるんスから」 「お前達、これからも鬼威惨でいたいのか?」 「「「当然ッス!」」」 「ならば、良いことを教えてやる」 そう言って、唐井はまだ残っているはげまんじゅうを指差した。 「あいつらには、関わるな。 あれは、ゆっくりであって、ゆっくりじゃない」 「じゃあ、何なんですか?」 「カオスゆっくりだ」 「カオス?」 「虐待鬼威惨じゃ、勝ち目はないってことだ」 「でも、アニさんはチョップ一撃で制裁したじゃないですか?」 「負けるのは、身体じゃない。心だ」 「こころ・・・」 「さっきは身を持って、知っただろ? あれを相手にし過ぎると、心が壊れる。だから、やめとけ」 「ヒャアアアアア!」 モヒカンの雄叫びが聞こえた。唐井の周りにいる者ではない。 少し離れた路地裏からだ。 歓喜の歌声かとも思えたが、何か、おかしい。 4人の男が、声の主へ足を向ける。 「ヒャ、ヒャ、ヒャアア・・・」 「どうした、モヒカン!」 「モヒカン。それに、唐井のアニさん」 薄暗い路地裏に、腰を抜かしたモヒカンがいた。 「何を見た?」 「アニさん、あ、あれ」 アスファルトの上に尻を着いたモヒカンが、指で奥を示す。 4匹のはげまんじゅうが、仲良くテーマソングを歌っている。 「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」 「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」 「あいつら、野良まりさの飾りや髪の毛を、食いやがったんだ。 そしたら、まりさも、あいつらと同じみたいに・・・」 「はげまんじゅうは、ゆっくりを丸ハゲにして仲間を増やす」 「仲間を? それが、カオスゆっくりなんですか?」 唐井は答える代わりに、はげまんじゅうへ近付いた。 「モヒカン、まりさだったヤツは、どれだ」 「今、アニさんの足元にいるヤツです」 言われるが早いが、それをつかみ上げて、左右に引っ張る。 「みっちみちー」 「「「みっちみちー」」」 皮膚に亀裂が入るほどの虐待を受けているにも関わらず、はげゆは笑顔だ。 仲間もニコニコとそれを見上げて、被害ゆと唱和したりする。 脅えているのは、モヒカンの方だ。 「くぱぁぁぁぁ!」 はげまんじゅうが、裂けた。 何の悲愴感もない、断末魔と共に。 中身が音を立てて、地に落ちる。 「あっはっはっは」 「くぱー、だってー」 「はげはしんでも、ゆっくりしてるねっ」 虐待を楽しんだ、モヒカンの感想ではない。 仲間の死を前にした、はげまんじゅうの言葉である。 唐井猛は、足元に転がった『中身』を拾い上げた。 小豆色だが、硬くて、冷たい。 「どうりで硬いはずだ」 「それは何なんです?」 「あずきバーってあるだろ。それと同じものだ」 「アイスの中で最も硬いとされる、アレですか」 「元々、ちるの種だったのかな? 以前は、ただの餡子が入ってたはずだが」 「ちるの種って、それはまりさだったんですよ?」 「はげになる前は、な」 「待ってください、アニさん。今、以前って言いましたよね。 もしかして、カオスゆっくりを虐待したことがあるんですか?」 短髪の男は、肯いた。 逆立てた髪が、瞬間、喜ぶように揺れた。 「だったらカオスだかはげだかを、俺らと一緒に制裁して下さいよ!」 「「「アニさん!」」」 「言っただろう。カオスゆを虐待すれば心が壊れる、と」 男の手が、はげまんじゅうの中身を離す。 乾いた音を立てて地にぶつかり、割れた。 「もう俺は鬼威惨になれない。ゆ虐すると、嫌なことを思い出すんだよ」 「そんな!」 「希望はないんですか!」 「もう一緒に虐待してくれないんですか?」 「やだー!」 「はげまんじゅうどもは、行政に任せとけ。 これだけの騒ぎだ。流石に何とかするだろう」 唐井はこれ以上口を開くことなく、その場を後にした。 語れば語るほど、どこかにある古傷が、うずくような錯覚を覚える。 街は夕焼けに染まり、人々はそそくさと家路を急ぐ。 はげまんじゅうの群れだけが、活発に動いていた。 唐井は、だらしなくテレビを見ている。 芸人が出て来ては消えていく様を、クスリともせず眺めていた。 「兄さん。最近『ゆたた』のダイレクトメール、見てないみたいだね」 童顔に無精髭を付けた青年が、ちゃぶ台に肘を付いている。 唐井猛の弟で同居人の、強(つよし)である。 「興味がない」 「この前まで、穴開くほど見てたじゃん。 ヒャッハー! 新作の虐待グッズだー!って」 「ゆ虐からは、足を洗ったんだ」 「兄さんからゆ虐を取ったら、何が残るの」 「真っ当なフロアマネージャーとしての、信頼と実績」 「つまんないね」 ちゃぶ台の上には、開けられてもいない封筒が無造作に置かれていた。 派手なデザインの中央には、『ゆ虐ネット・ゆたた』の文字が躍っている。 「じゃあ、僕、仕事にいくから」 「お前な、その髭で『僕』はやめろよ。 だいたい老人ホーム勤めで、その無精髭はないぞ」 「しょうがないよ。 おじいちゃんもおばあちゃんも、僕を『ヒゲの人』って呼んでるんだから」 「早く別の特徴を見つけてもらえ」 「いってきます」 似合わない無精髭が、部屋を出て行く。 アパートの階段から音がして、遠ざかっていった。 唐井兄はテレビを見ながら、夕飯はラーメンにしようなどと考えていた。 液晶の中で、売れない漫才師がネタを披露している。 「「はいどうも、水袋砂袋です」」 「いやー、この前ゆっくりを殴ったら、骨を折っちゃいましてね」 「お前、どんだけ貧弱なんだよ」 「砂袋さん、ああ見えてもゆっくりには餡子がたっぷり詰まってるんですよ」 「水袋は、水風船にも負けるからな」 「ゆっくりは、重いんです」 「ゆっくりは、軽いんです」 「重い」 「軽い」 「重い!」 「軽い!」 「「はいはい、設定次第設定次第」」 久々に饅頭と戯れたこともあり、唐井猛はこってりしたものを欲していた。 こってりした男の食べ物といえば、『ラーメン次狼』を置いて他にはあるまい。 そんな自明の理に基づき、唐井は次狼ののれんをくぐった。 男くさいラーメンとはいえ、店内には女性客もチラホラ。 中でも、入口近くのカウンター席にいた3人の女は、ちょっと目を引いた。 ともあれ唐井は食券を買い、セルフの水を取ると、開いてる席に座った。 3人の女性客の近くだったのは、たまたまである。 たまたま座ったからには、その会話が漏れ聞こえて来るのも、仕方がない。 「私、ボンちゃんと結婚するのよ・・・」 「おめでとう、荒沢さん、おめでとう」 結婚宣言をした女は、ハイネックを着ている。 泣きながら祝福している方は、灰色の髪とアホ毛が特徴的だ。 「ありがとう嘆木ちゃん。私、幸せになるからね」 どうやら妙齢のハイネックが荒沢、心優しいアホ毛が嘆木というらしい。 そして一番入口に近い席に、黒い眼帯をした女が赤ら顔で座っている。 「ほら、D.Oさんも」 「お、おめでとうございます・・・」 D.Oと呼ばれた女は小さく息を切らしている。表情もまるで酔っ払ってるようだ。 もしかして熱いのだろうか。ラーメン屋なのに、コートなんか羽織っているからだろう。 脱げばいいのに。 唐井は厨房に目を向けた。 ワイルドな店員と視線がかち合う。 そろそろ、トッピングを聞かれる頃合だろう。 「にんにく入れますか!」 「ニンニク、野菜、めーりんマシで!」 「じゃお!」 唐井が注文を終えたのと、3人娘の席にラーメンが並べられたのは、ほぼ同時だった。 嘆木のどんぶりが、一際うず高い。 「うまいッス。おめでたい席での次狼さんは、うまいッス」 「ほらほら嘆木ちゃん、もう泣き止んで」 「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」 「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」 やたら聞き覚えのある歌声が、唐井の盗み聞きを妨げた。 振り返ると、そこにはやはり。 「「「「「はげは、ゆっくりできるねっ」」」」」 カオスゆっくりが、券売機の前に並んでいた。 ちゃんと順番を守っているのは、感心するべきか、否か。 「ここに、めーりんがいるよねっ」 「めーりんを、はげにしようねっ」 「そうすれば、じゆうに、しゃべれるねっ」 「げんきにはげれば、ふりーだむっ」 「はげててごめんねっ」 店内がざわつき出した。 次狼のコッテリ分を一手に担う、自家製めーりん。 それがはげるなんて、とんでもない。 戸惑う人々には目もくれず、厨房へと繋がる道へ、はげが往く。 そこに颯爽と立ち塞がったのは、店員でも唐井でもない。 眼帯コートの女、D.Oだった。 彼女はハラリとコートの前をはだけ、その中にあるものを、はげゆに晒す。 「D.Oさんの公開露出自虐プレイが出たわ!」 「流石、『ハートキャッチ痴女キュア』の名を欲しいままにする女(ひと)ね!」 D.Oの麓に到着したはげまんじゅうが、無邪気な視線を上へと向ける。 「じゃんぐるー☆」 正直な感想であった。 「ぴんくいろのくさが、うっそうとしてるねっ」 「これは、はげさせないと、いけないねっ」 「ちきゅーしんりゃくだー。のりこめー」 「わぁーい」 D.Oの股座付近目掛けて、5つのはげが烈風のように飛び掛る。 見かねた。 唐井は女とはげゆの間に割って入り、右足で蹴り上げた。 「シュゥゥゥーッ!」 一撃で、5はげは仲良く吹っ飛ぶ。 その先には、次狼の入口。 察しの良い常連客が、店の引き戸を開けた。 「「「「「ちょー! えきさいてぃーん!!」」」」」 断末魔と共に、店外という名のゴールへ、はげまんじゅうが消えていく。 次狼を愛するもの達が見せた、見事な連携プレーであった。 「やったー! 次狼は守られたー!」 「ウチのめーりんは、はげてねー!」 「じゃお! じゃお!」 「寒いから、早く閉めろー!」 「おー!」 店内は無駄に沸き上がる。 お前ら見てただけだろ、という声を男は呑み込んだ。 そんな喧騒の中、唐井の指先に、しなやかなものが絡む。 「恥丘(ちきゅう)を守って頂き、ありがとうございました」 開け放たれたままのD.Oが、男の手を取り、優しく握っている。 手元を確認するため視線を下げると、ついつい目に入ってしまった。 「じゃんぐる・・・」 唐井は部屋に戻ると、早々に寝床に入った。 布団の中に入り、掛け布団をみぞおち辺りまで下げる。 眠れない。 別に刺激的な丘を見たからではない。 第一、上から確認できるのはピンクの森ばかりで。 そうではない。 忘れていたのに、思い出してしまったのだ。 唐井には、雨宮という古い友人がいる。 大学でゆっくりを研究して口を糊する、物好きにも程がある男だ。 彼は仕事柄、ゆっくりを教育したり、あまつさえ改造を試みたりする。 はげまんじゅうは、雨宮が作り出した。 さらに悪いことに、生態調査と称して群れに放ってしまったのだ。 そして群れは、はげ上がった。 秘密裏に事態を収束させるため、雨宮は唐井を頼った。 ゆっくりを虐待虐殺し放題という甘言に、ゆ虐好きはまんまと引っ掛かる。 クリーチャー相手と知って鬼威惨は渋ったが、最終的には受けた。 それからのことは、重いトラウマとなって圧し掛かっている。 どんなに潰しても、焼いても、殺しても、はげまんじゅうは笑っていた。 それは初めて目にする、カオスゆっくり。 心が気付かないうちに、壊されていく。 最終的に、はげ化したドスとも戦った。 10m級というふざけた大きさの個体だ。 正気ではなかったのだろう。 唐井は、素手で立ち向かった。 気付けば、弟の車の中で寝かされていた。 全身丸裸で、ドスの皮が毛布代わりに被せられている。 後から聞けば、あにゃるから体内に入り、内部から爆散させたという。 今でも信じられないし、それを信じてはいけない気がする。 そして唐井猛は、鬼威惨を辞めた。 ゆ虐に資格や免許があるわけではない。 あくまで心の問題だ。 それでもモヒカンを剃り、革ジャンを後輩に譲ると、周囲は事件扱いまでして騒ぎ立てた。 唐井は、全て無視した。 二度と、ゆ虐はしない。そう決めたはずだったのに。 唐井の意識が、眠りの中へ混ざっていく。 頭の中に、様々な事象が落ちては濁り出す。 はげまんじゅう。カオスゆっくり。自己増殖。行進。笑顔。 モヒカン。ゆ虐。過去。業。 次狼。アラサーがたどりついた島。アホ毛がすする山。美しく生える森。 そうだ、雨宮にメールを送っておこう。 ほんの少しだけ目覚めている部分が、唐井に告げた。 翌朝。 携帯の履歴を見る限り、メールはちゃんと送れたようだった。 肌寒い。 布団の中で蠢いていると、窓の向こうから嫌な歌が流れてくる。 「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」 「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」 男は跳ね起きると、窓を開け外気に身を晒す。 2階から見下ろした光景。できれば夢の続きと思いたい。 「「「「「「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 最早、行進とすら呼べなかった。 はげまんじゅうが川となって、道の上を流れていく。 昨日とは比べ物にならないほど、爆発的な増殖だった。 人のものだったはずの往来に、人影は見えない。 このような状況下で、まともに通行できるはずもなかった。 唐井は辺りを見渡し、出来る限り遠くまで瞳を凝らす。 その結果、気付く。 「・・・これだけの騒ぎになって、何故、行政も警察も動かないんだ?」 中身は最硬度のあずきアイスとはいえ、所詮は饅頭。 消防車で放水でもすれば、鎮圧は簡単なはずだ。 男は窓を閉め、TVのスイッチを入れた。 アナウンサーが、見覚えのある風景の中でマイクを握り締めている。 「ご覧のように、この街は謎のゆっくりによって占拠されてしまいました! このゆっくりは『はげまんじゅう』を名乗り、世話品市一帯を包囲しています。 はげまんじゅうは、あらゆるゆっくりを、はげにする程度の能力を持っています。 世話品市にお住まいの方は、決して飼いゆを外に出さないで下さい! このはげまんじゅうの中には、感染した飼いゆや商品ゆが大量に含まれていると見られます。 そのため、行政も一斉駆除などの対応が取れない模様です。 政府も前例のない事態に・・・」 唐井は、静かにリモコンのスイッチを切った。 「お役所仕事が・・・」 家の中は、静かになる。 しかし、外からは混沌とした歌声が押し寄せ、心を乱した。 感情が揺れている。 携帯電話が鳴った。 手に取る。 声の主は、元凶であった。 「やあ。随分愉快なことになっているようだな」 「雨宮。今、どこにいる」 「アメリカだ」 「アメリカ?」 「YHKの取材に同行してるんだ。なにせ世界で始めて純ドスの撮影に」 「何がドスだ! こっちはお前が作った化け物のせいで、大変なことになってるんだぞ」 「知ってるよ。市も国もお手上げだってな。 だからといって、私に何ができるんだ? 急いで帰って来て、カメラの前で切腹でもすれば良いのか?」 唐井は頭を激しく掻いた。 長い付き合いだが、この物言いには本当に、慣れない。 「だったら知恵を貸せよ」 「知恵も何も。法が無力なら、個人が頑張るしかないだろう。 ましてや、相手はゆっくりだ。ゆっくりを始末する存在は・・・分かるよな?」 「相手は、カオスゆっくりだぞ。並みの鬼威惨でどうにかできるか」 「私は、そいつらと戦って、帰ってきた男を知ってるがね」 「俺にやれってのか?」 「他に誰がいる?」 「俺はゆ虐からは足を洗ったんだ」 電話の向こうから、低く長い笑い声。 太平洋を挟んで、唐井は馬鹿にされている。 「何がおかしい」 「唐井。鬼威惨が、ゆ虐に染まった人間が、普通の人間に戻れると思うのか?」 無意識に、唾を飲んだ。 存外大きな音を立てたので、それにさえ少し怯む。 「お前の全身には、ゆっくりの餡子が染み込んでるんだ。 それから目を背けて、引退だ? 水袋砂袋と組んでお笑いでもやるつもりか? やあ、水袋砂袋虐袋。デビューしたなら見に行ってやるぞ」 「・・・お前とは、絶交だ」 「仲良くしてきたつもりはないな。私は馬鹿な鬼威惨を利用してきただけだ。 友達とでも思ってたのか?」 「この糞袋が! 今度見かけたら、ドスに食わせて饅頭の具にしてやるぞ!」 「そうだ、俺を怒れ、恨め、罵れ。 そして、お前のやるべきことを見失うな」 電話が、切れる。 唐井は、いつの間にか自分がはげまんじゅうの真上にいることに気付いた。 窓から飛び出したらしい。 着地の衝撃で押し潰す。 はげゆが2ダースほど四散した。 全体から見れば僅かな数だ。 拳を振るい、足を打ちつけ、五体を衝動に委ねた。 誰もいなかった。 他人も、友人も、はげまんじゅうでさえも、唐井の蹂躙を見てさえいない。 「「「「「「「「「「はげまんじゅう! はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「「ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう!」」」」」」」」」」 大量のカオスゆは、仲間の死さえ眼中にない。 ひたすら歌い、歩き、笑っている。 唐井猛は、尻を地に付けた。 息が上がっている。 汗で濡れた四肢の上を、はげまんじゅうが流れていく。 寝転がる。 本当に川の中のようだ。 視界には、はげゆの底部と空が交互に現れる。 はげのテーマソング以外は、何も聞こえなかった。 普段なら人の作ったものが、煩わしいまでに泣き喚いている時間なのに。 たったひとつだけ、誰かの声がした。 人のようで、人でない。はげと唱和することもない、か弱い叫び。 男が身を起こすと、乗っかっていたはげがパラパラと落ちる。 微かな音を頼りに、彼は化物の波をかき分けた。 「ゆー・・・はー・・・」 ゆっくりの声だ。 まだ、はげになっていないヤツが残っているのだろうか。 「ゆーはー」 しかし、こんな鳴き声は聞いたことがない。 それに、たったひとつだけのようだ。 「ゆーはー! はげは、ぎゃくたいだー!」 目を疑ったが、同時に今更だとも思った。 唐井とはげを挟んだ対岸に、袋小路がある。 そこに、風変わりなゆっくりがいた。 金髪が綺麗に逆立って、モヒカン状になっている饅頭。 ご丁寧にも、側面の髪の毛は剃られている。 「ゆーはー! もう、がまんできねー!」 モヒカンゆっくり、とでもいうのだろうか。 それが何度も何度も、はげの列へ体当たりを敢行していた。 はげゆの方は、ゆっくりと認識できないのか、完全に無視している。 「ゆーはー!」 それでもモヒカンゆは、生き生きとした顔をしている。 理論でも理屈でもない。 ただただ、相手を叩きのめすことしか頭にないのだろう。 唐井猛は、思う。 これこそが、モヒカンというものではないのか。 「ゆー・・・はー・・・」 体当たりの勢いが鈍ると、たちまちモヒカンが沈み出した。 激流に飲まれ、逆立った髪が沈んでいく。 唐井は、初めて駆け寄った。 それがいた場所を見下ろすと、もうモヒカンゆの体はなくなっていた。 はげゆに踏まれ続け、すり潰されたのだろう。 これを奇跡と呼んでいいのか。 小さなモヒカン髪だけが、残っていた。 アスファルトの上には、剥がれた頭皮。 そこから金髪が屹立していて、はげの進攻をかい潜っていた。 思わず、手に取る。 崩れることもなく、そのまま男の手に納まった。 「モヒカンの、魂か」 モヒカンゆっくりが何処のどいつかなんて、分かるはずもない。 ただ手の中にある小さな髪の毛が、唐井には燃えているように感じられた。 鬼威惨は、はげが往く先を見つめる。 どうやら、全てが同じ方向に進んでいるようだ。 一旦家に戻ると、唐井は押入れからダンボールを取り出した。 箱には、『ゆ虐一式』と書かれている。 彼はある衣装を取り出すと、モヒカンゆっくりの髪の毛を結い付けた。 細かい作業をする自分に苦笑していると、再び電話が鳴った。 「兄さん」 「強か。ダンボールに虫避けいれてくれて、ありがとな」 「やる気になったんだね」 「お前、もう上がりか? だったら早く家に帰って、一眠りしておいてくれ。 多分、手伝ってもらうことになる」 「そうするよ。それで兄さん、はげの目的は」 「分かってる。あの先には・・・」 世話品市の外れに、小さな山がある。 はげの群れがいた場所とは、街を挟んでちょうど反対側だ。 そのはげてない山には、ある施設が建っていた。 希少種ゆー園。 普段はなかなかお目にかかれない貴重なゆっくりを集めた、レジャー施設だ。 世話品市の観光スポットは、休日ならば家族連れで賑わっていることだろう。 しかし今日ばかりは、園内を緊張が走っている。 ゆー園の一室。 事務室兼管理センター兼会議室という、小さな部屋だ。 そこの一番奥にいる人こそ、園長。 希少種収集に生涯をかけた男であった。 「諸君。希少種ゆー園は、開園以来最大の危機を迎えている」 「はげまんじゅうとかいうゆっくりが、ここを目指している、ということでしょうか」 部屋は園長の他、職員で埋め尽くされている。 誰も彼も実にゆっくりしていない表情だ。 「そうだ。恐らく奴らの狙いは、園内の希少種。 可愛い可愛い我々のゆっくりを、はげまんじゅうにしようというのだろう」 「そんなことになったら、ゆー園は破滅だ」 「それだけじゃない。もし、希少種がはげになってみろ。 希少種好きのお兄さんお姉さんが、どんなに怒り狂うか。 きっと彼らは暴徒化するだろう。 そして社会不安が広がり、テロが頻発し、各地は無政府状態に陥る。遂には」 「遂には?」 「世界は滅亡する!」 「「「な、なんだってー!!」」」 「そんな危機的状況を回避するべく、園内の希少種を疎開させることにした。 これから総員総力を挙げ、直ちに作業に入って欲しい。 地球の未来は、君達にかかっている!」 「「「おー!!!」」」 職員は血相を変えて部屋を出る。 園長はといえば、案外のんびりとした顔で、お茶など啜っていた。 30分後。 ゆー園裏の車両出入り口に、マイクロバスが続々と到着した。 職員達は希少種を連れ立ってそこに集まり、園長に報告する。 「こーまかん一座、全ゆん集まりました!」 「ちれーでん、完了です!」 「やくも一家、集まってます!」 「てんかい、よーかいの山、はくぎょくろーはどうした?」 「もうすぐ来ます!」 希少種は、賢い。 職員の指示に従って、バスに乗り込んでいく。 「こーまかん一座、しゅっぱつだどー!」 「おぜうさま! おぜうさま!」 「こあーこあー」 「じゃおおーん!」 「しねっ! しねっ!」 「むきゅきゅ。みんな、ざちょーが大好きね」 「ぱちぇ、胴付きのくせに遅いんだどー!」 「・・・・・・」 「お、なんだい、おりん。ゆーぎのつのが、きにいったかい?」 「ほらおりん、エロいこと考えてないで、さっさとバスにのりなさい」 「おりんりんらんど、はじまるよー!」 「わぁい!」 「ねたましい・・・」 「こぼねー、こぼねー」 「ひぃぃぃぃ!」 「ゆゆこさま、みすてぃを食べちゃだめだみょん」 「こぼねぇ」 「あらあらゆゆこ、あいかわらずね」 「ちぇぇぇぇぇん!」 「らんしゃまぁぁぁぁ!」 「そっちも、てんぷれっぷりがひどいみょん」 「ゆゆこ。ようむのきょういく、なってないんじゃない?」 「こぼねっ!」 「このおう金でできた鉄のかたまりであるてんこが、皮そうびのまんじゅうにおくれをとるはずがにぃ」 「でも、おくれてましたよね。ゆうかにふまれまくって、伸びてましたからね」 「おっと、いくに言い負かされた感」 「そんなに、ゆうかのあんよがいいんですか?」 「ふまれるんじゃない。ふまれてしまうのが、どえむ」 「なら、一生ゆうかのところにいれば、いいじゃないですか」 「すいまえんでした。きげんなおしてくだしぃ。 ・・・おい、いく、きいてんのか。いく、いく、いくいくいくいくいく」 「名前をれんこしないで下さい。おりんがこっち見てますよ」 こんなやり取りを、園長は緩んだ顔で眺めていた。 彼は希少種を見れば、食欲さえ満たされるタイプの人間であった。 幸せは長くは続かない。 ある職員の言葉で、園長の眉間に皺が寄ることになる。 「あの、もりや一家はどうしましょう」 「・・・もりやだと? あんな出来損ない、放っておけ」 「でも、あれも希少種じゃないですか?」 「出来損ない。そう言ったはずだ」 さっきまでのえびす顔はどこへやら。 人でも殺してきたかのような目付きで、部下を睨んでいる。 「あれは、置いていく」 「はげにするおつもりですか?」 「犠牲は必要だからな。身を挺して仲間を守った、悲劇のもりや一家。 これは良いコンテンツになる」 それで、初めて役に立つ。 言葉にはしなかったものの、園長の思惑は明らかだった。 「あと、あのでかいのは」 今度は、いくらか表情が和らぐ。 「おいおい、あんなのどうやってバスに乗せる気だ?」 「それはまあ、そうですが」 「あれも置いていく。勘違いするなよ、あいつの意思だ。 このゆー園を最後まで守りたいとさ。泣かせる話じゃないか」 「はあ」 「知ってるか。ドス種の中には、責任感が詰まってるんだ。 こっちにとっては、好都合というものだ」 園長はそれ以上話すことはない、とでも言うかのように席を立った。 愛らしい希少種で満たされたバスに、乗り込んでいく。 これからこのバスは、はげが少ない裏道を通って市外へ脱出する。 先ほど園長と対した職員は、最後の乗客となる前に、ゆー園を振り返った。 そっけない箱型の檻に、目を向ける。 あそこに置きざりになるのは、3匹のゆっくりだ。 できれば、はげずに無事でいて欲しいと願いながら、彼はれみりゃの隣りに座った。 『はげの復活(中)/来るべき神徳』に続く。 【過去作】 ※カオスVS鬼威惨 本作 ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ※YHKアーカイブス ふたば系ゆっくりいじめ 840 プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース(うーぱっく&すぃー) ※単発物近作 ふたば系ゆっくりいじめ 833 俺持ってんの1円じゃなくて・・・ ふたば系ゆっくりいじめ 666 チューチューラブリームニムニムラムラプリンプリンボロンあにゃるぺーろぺーろ ふたば系ゆっくりいじめ 629 極上のすっきりプレイス ※続編準備中 ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ※ぬえ nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。 餡娘ちゃんとWIKIあきに、多謝。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る DIO「おい、まだ全員じゃないぞあとえいえんていとみょうれんじが、いねーじゃねーかよ」 ホルホース「確かにいねーな!!」 ブロリー「そんなの関係ねーだろ、それより俺たちで、ハゲ共を倒そうぜ」 DIO「もうちょっと様子を見てから行こーぜ、行ったて、俺たち邪魔じゃん」 ブロリー「そうしよう」 -- 2015-01-18 13 57 18 はげまんじゅう!はげまんじゅう! ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう! -- 2013-06-17 15 54 55 はげまんじゅう!はげまんじゅう! ゆっくり、すなわち、はげまんじゅう! -- 2013-06-17 15 54 11 こーまかん、ちれーでん、やくも、てんかい、ようかい、はくぎょくろー、もりやとは勢揃い・・・かと思ったらえいえんてい無いぞ。えいえんていどうした? -- 2013-03-20 22 38 21 謎の感動 -- 2012-07-29 22 33 58 俺これ大好きだ…… 改めて場面想像するとギャグでしかないのに 読んでて思うことは「怖い」 -- 2011-09-01 23 03 20